アオイトリ

11月、冬。

とある山間部に位置する、全寮制のミッション系女子校・霧原学園。
男子禁制であるそこに、学生神父という特例で暮らす主人公・白鳥律はいた。

律は、触れた者、特に性交渉を行った相手を【幸福】にする力をもつ。
奇跡の力を有するがために悪魔に狙われる彼は、生まれてから一度も学園の外に出たことがなかった。
そして、学園の少女たちに【天使】として抱かれてもいた。

律は、ひとりの少女を殺した罪を背負い、なによりも他人を幸せにする誓いを立てていた。

清純と淫靡さを行き来しながら、ギリギリで正気をたもっていた日常。
しかし、ひとりの少女の登場によって、物語の幕があがる。
100年を旅した吸血鬼の少女、メアリー・ハーカー。

そして、彼女とともに学園にしのびこんだ、電話から囁かれる悪魔の声。

【奇跡】の力は本当に人を幸せにするのか?
この世界に生れ落ちた価値は?

それは祈りが紡ぐ、命の物語──

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